ダイナースプレミアムカードや、アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードなどには、トラベルデスクのサービスがあります。これらについて、触れておきましょう。
《 ダイナースプレミアムデスク》
ダイナースプレミアムカードでは、 ダイナースプレミアムデスクと呼ばれる24時間通じるフリーダイヤルの番号が用意されています。携帯からもかかります。海外旅行と国内旅行とに分かれています。旅行に関してはどうやらJTBが下請けをしているようです。
国内旅行では、ホテルの手配、航空券の手配、新幹線の切符の手配などをやってくれます。ホテルの手配は、ネット上のホテル検索・予約サイトの方が値段が安いと思いますので、自分でできる方はそれが合理的です。では、デスクを通じてホテルを取るメリットはないのかというと、考えられるものとしては、夜間などの特殊な時間帯で急を要する場合などでしょうか。気がつくと最終の新幹線に乗り遅れていて、夜の12時だけど駅近くのホテルを探して予約したい等の場合には、電話一本で対応してくれるので便利かと思います。
新幹線の切符の手配は結構便利に利用しています。電話で乗りたい日時・区間を告げれば、新幹線の時間を調べてくれたりもしますし、依頼すれば切符を自宅に送付してくれます。送料はかかりません。JRの駅や旅行代理店まで切符を買いに行く手間がかかりませんので便利です。特に、GWや正月など、混むことが予想される時機などでは、切符の発券は乗車の1ヶ月前からですが、前もって依頼さえしておくと確実に切符を押さえて自宅に送付してくれます。
海外旅行では、パッケージ旅行のパンフレットを依頼すれば無料で送付してくれますし、パッケージ旅行の場合3%ないし5%の割引もあったりします。何か旅行を思い立ったら、パンフレット送付を依頼すると便利です。もちろん、パッケージ旅行ではなくて、個人旅行にも対応してくれます。航空券の手配、ホテルの手配、鉄道の手配などなどです。電話で話ながら目の前に航空機の予約が可能な端末があるのでしょうが、手際よく飛行機の時間や料金も答えてくれます。また「ビジネスクラスで、成田〜ロンドンの一番安いものを探してください」などと言う依頼にも、2〜3日かかりますが調べて答えてくれたりします。「こうしたトラベルデスクに依頼すると、航空券も割高なのではないか?」と心配する人も多いと思いますが、実はそうでもないようです。米国行き、ヨーロッパ行きのビジネス航空券を手配するとしたらどれくらいになるか尋ねたことがあります。その時にわかったのは、アメリカンエキスプレスのトラベルデスクよりも若干値段が安い傾向にあったことと、インターネットでの最安値の航空券とそれほど遜色がないほど安い値段を示してくれました。下請けで業界最大手のJTBがやっていますので、値段の面で割高になると言うことがほとんどないようです。その点では安心です。
さて、トラベルデスクの質ですが、あまり過度の期待をしないことです。ネット上に書かれている”プレミアムカードのコンシェルジェデスクは素晴らしい”というのを鵜呑みにするとがっかりします。印象としては、町中のJTBの旅行代理店に出向いて比較的熱心な担当者が親身になって対応してくれているという感じでしょうか。これを、電話で24時間対応してくれるので、仕事が終わってくつろぎながら旅行の本を眺めながら、電話で旅行の手配を頼める便利さということでしょうか。チケットなども手配が完了したら送付されてきます。あと、担当者の当たり外れも当然のことながら若干あります。対応の言葉遣いなどは問題ないのですが、やはり経験や知識の差というのはでてきます。鈍くさい人も中にはいますし、夜間に不慣れな人が多い印象です。ですから、お気に入りの担当者に出会えれば、次回からはその人を指名して依頼するというようなことをしてもよいかもしれません。
あと、海外旅行に出かけた先での対応について述べておきます。ダイナースクラブでは海外トラベルデスクというのがありまして、主に外注先のJTBのデスクが対応にあたっています。旅先で何か困ったことがおきたり、レストランやホテル、飛行機などの依頼などができたりします。良い点としては現地駐在のJTBの担当者が日本語で対応してくれますので、現地の様子に詳しいと言うことが言えます。現地でストライキが起きて飛行機に影響が出ないかとか、バルセロナから乗る特急列車の切符の買い方とか、現地にいれば簡単にわかるようなことを聞くことができます。こうしたデスクが、例えばヨーロッパだけを見るとダイナースの場合(つまりJTBのデスクの数が)13都市(アテネ、フランクフルト、アムステルダム、マドリッド、ウィーン、ミュンヘン、グルンデルワルト、ミラノ、ジュネーブ、ロンドン、パリ、ローマ、バルセロナ)にありますので便利です。これに比べアメリカンエキスプレスのヨーロッパのデスクはイギリス、イタリア、フランスの3カ国だけになりますので、現地での情報という面では若干のデメリットがあります。ただ、問題は対応してくれる時間帯です。ダイナースの海外トラベルデスク(つまりJTBのデスク)は9時〜18時とかの営業時間となっているところが多く、場所によっては土日は休みとかだったりします。ですから、旅先で夜間に何かトラブルがあったときには役に立ちません。この点でダイナースの海外トラベルデスクは、アメリカンエキスプレスのトラベルデスクに比べて劣ると言えます。アメリカンエキスプレスのトラベルデスクは、24時間対応ですので、夜間に現地のホテルに着いたら予約が入っていなかった! などという緊急事態にも対応してくれます。ですから、私はダイナースのトラベルデスクも利用してはいますが、基本的に海外への個人旅行の際にはアメリカンエキスプレスのトラベルデスクを利用することにしています(他にも色々なメリットもあるので)。いざというときの安心感が違うからです。さらに、アメリカンエキスプレスの場合、プラチナカードだけが海外で24時間対応なのではなくて、なんとグリーンの一般カードでも海外旅行の際には24時間対応をしてくれます(国内にいるときにはグリーンの一般カードは、プラチナカードのように24時間対応ではないのですが)。このあたり、アメリカンエキスプレスが如何に海外旅行へのサポートに力を入れているかがよくわかります。
あと、ダイナースプレミアムカードを持っていて、ダイナースのトラベルデスクで50万円以上の旅行を依頼すると、大阪市内から関空または東京都内から成田空港までの往路のハイヤーの手配または関空又は成田空港隣接のホテル前泊の1泊がサービスとしてついてきます。私は関西の地方都市在住なので、新大阪まで新幹線で移動し、新大阪駅からハイヤーで関空まで送迎してもらいましたが、上等な車が迎えに来ており関空の4階の国際線出発の入り口前まで送り届けてもらうのは気分の良いものでした。
一度、ヨーロッパの地方都市のホテルの予約をダイナースのトラベルデスクでお願いしていたのですが、現地に夜間に到着すると私の名前で予約が入っていない!というトラブルに遭遇したことがありました。幸いなことに、ホテルの部屋に空きがあったので、それほど困りはしなかったのですが、一瞬どきっとさせられました。念のために、翌日になり現地のトラベルデスクに「困ったことにはならなかったけれども、予約が入っていないというトラブルがありました」と連絡だけ入れておきました。すると、その後の対応はとてもよいものでした。日本のダイナースプレミアムデスクにも連絡が行き、何故予約がキャンセルされたのかという原因の究明を行ってくれ、私にその結果の報告もありました。結局、ホテル側のミスで一旦は入っていた予約が原因不明の理由でキャンセル扱いされたということのようでした。
《プラチナ・コンシェルジェ・デスク》
アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードでは、プラチナ・コンシェルジェ・デスクと呼ばれる24時間通じるフリーダイヤルの番号が用意されています。携帯からもかかります。アメリカンエキスプレスのトラベルデスクは、下請けではなくて、アメリカンエキスプレス自らが旅行代理店の機能を持っていて行われているようです。そして、ダイナースのトラベルデスクよりも、若干スタッフも優れているような印象があります(ダイナースが劣ると言うほどの差ではありません)。
国内旅行と海外旅行とで分かれています。国内旅行では、ダイナースと同等のことを行ってくれるわけですが、アメリカン・エキスプレスがダイナースよりも旅行関係に力を入れていることの表れとして、東海道・山陽新幹線の切符を依頼すると主要駅の近くのホテルで利用できる喫茶券がついてくるとか、羽田か伊丹空港発着の国内線の航空券を依頼すると1,000円分の食事券がついてくるとかの附帯サービスがついていますので、若干お得です。
海外旅行の依頼も、パッケージ旅行のパンフレットを依頼したり、パッケージ旅行の手配を依頼したりは問題なく行ってくれます。アメリカンエキスプレスのトラベルデスクも担当者の目の前には航空機の予約・発券、ホテルの予約などが可能な端末がおいてあるようで電話で話ながら便名、時間、料金、ホテルの名前、部屋のグレード、料金、予約などがリアルタイムに可能となっています。値段だけを聞いて検討し、後日予約を入れることもできます。ダイナースも、アメリカンエキスプレスもこうした依頼は全てコンピューターに記録が残っていて、別の日に違う担当者が対応しても問題なくスムーズに対応が進みます。
私が海外旅行の際にプラチナ・コンシェルジェ・デスクを好んで用いる最大の理由は、アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードのサービスとしてFHR (Fine Hotels and Resorts)、SLH (Small Luxuary Hotels)、LHW(Leading Hotel of the World)というのに加盟している高級なホテルに宿泊する際に特典が用意されているというものがあり、これを利用すると年会費の10万円の元が取れてしまうと感じるほどのお得なことになることが多いと感じています。まずこれらのホテルはとても高級なホテルで一番安くても一泊3万円前後の部屋です。ただ、一番安い部屋を依頼しても、空きがあれば部屋がアップグレードされる可能性が高く、一泊5〜8万円の部屋に泊まれることが私の体験としては多かったです。そして、アーリーチェックイン、レイトチェックアウトが可能であったり、朝食が無料でついてきたり、さらにはホテルによって$100相当のレストラン利用がついてきたり、$100相当のスパの利用がついてきたり、昼食がついてきたりします(ホテルにより違いますが)。こうしたサービスをヨーロッパを旅行しながら何カ所かのホテルで利用すると、せこい話で恐縮ですが、年会費10万円の元はとった!というお得な実感があります。(先日のオーストリア旅行では、一泊3万円の部屋を予約したところ、二つのホテルで10万円の部屋に通されました。6泊したので、それだけで40万円ほどのお得でした)
また、FHR, SLH, LHWなどのホテルのグループに属しているホテルは、いずれもとても洗練されたホテルです。これらに属したホテルでハズレということはまずありません。70以上の年配の方がフランスやドイツなどヨーロッパに旅行に行かれた話を聞くことがありますが「ヨーロッパのレストランはおいしくないですね」とか「ホテルの近辺があまりこぎれいでなかった」とか話しているのを聞くと気の毒になります。ホテルやレストランで良い体験をされていないからです。年配の方の旅行は英語などの語学に自信がないとか旅慣れていないとかでJTBなどのパッケージ旅行でヨーロッパに行かれる方が圧倒的に多いようですが、こうした団体旅行を受け入れているホテル自体が大規模なホテルであり、団体を受け入れるとホテルの雰囲気が悪くなるという考え方はもっておらず、それなりのホテルでしかないといえます。FHR, SLH, LHWなどのホテルのグループに属しているホテルは、いずれも団体客を受け入れるようなホテルではありません。どちらかというと部屋数も少なく、静かさや雰囲気を大事にしたり、客の名前をちゃんと覚えてくれて挨拶をしてくれるようなホスピタリティーあふれるホテルです。そうしたホテルに泊まり、素敵な接客を体験すると旅行がさらに思い出深く楽しいものになります。また、こうしたホテルではレストランもとても力が入っていて、味も素晴らしく、雰囲気も良いところが多いです。アメックスプラチナのサービスでFHR, SLH, LHWなどのホテルのグループに泊まることができるわけですが、ある程度の出費は覚悟するとしても、出費以上の素晴らしい体験ができると思いますし、私の体験では部屋がアップグレードされる可能性も結構高いので、お得でもありますし、このあたりの旅行者向けのサービスの充実ぶりがアメックスプラチナの素晴らしい点だと思います。
《国内でのレストラン紹介》
海外旅行とも、マイルとも別な話になるのですが、ダイナースプレミアムカードやアメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードで国内のレストラン紹介・予約を依頼する際のメリットについて述べてみたいと思います。
私は、国内でレストラン紹介に関してはプラチナ・コンシェルジェ・デスクを基本的には利用します。こちらのデスクの方が、ダイナースプレミアムカードのデスクよりも、本当の意味でお得な店、旬な店、サービスの良い店を紹介してくれている気がします。値段も希望を言えば、それに見合ったお店を紹介してもらえます。店によっては、プラチナ・コンシェルジェ・デスクの威力なのでしょうか、やたらとサービスの良いところもあったりして、お得なような気恥ずかしいようなこともたまにあったりします。
ダイナースプレミアムカードのデスクでも、もちろん紹介と予約などをしてもらえます。あと、まだ利用はしたことがないのですが、ダイナースクラブエグゼクティブダイニングというサービスを利用すると、二人以上で利用すると一人分の料金がサービスとなると言うすごいサービスもあります。二人で利用すると一人分の料金でよいわけです。また、機会があればこれも利用してみたいと思います。